2つのアップデートが行われた
3月にGoogleの検索エンジンがアップデートを行いました。このアップデートでは2つの大きなアップデートを行っています。1つは検索アルゴリズム自体を更新する「コアアップデート」、もう一つはスパムポリシー(簡単に説明すると“やってはいけないこと”)の更新である「スパムアップデート」です。この2つのアップデートのそれぞれの概要を箇条書きにまとめてみました。ロールアウト前にGoogle検索セントラルで述べられている内容になります。
コアアップデート概要
〇 2024年3月5日に「コアアップデート」と「スパムアップデート」を開始。
〇 コアアップデートは通常よりも複雑であり、複数の検索コアシステムへの変更が含まれる。
〇 複雑なアップデートであるため、展開には最大1ヶ月かかる場合がある。
〇 さまざまなシステムが更新、強化がなされるため、通常のコアアップデートよりもランキングの変動が大きくなる可能性がある。
〇 今回のアップデートの目的は「クリックを集めるために作成されたと思われるコンテンツを減らし、ユーザーが役立つと感じるコンテンツを多く表示することで、検索の品質を向上させる」こと。
→ ユーザーが役立つと感じるコンテンツについてはFAQページを用意。
〇 ランキングされなかった場合は以下のドキュメントを読むことを勧める。
〇 4月20日にアップデート完了。
スパムアップデート概要
・既存のスパムポリシーに加えて以下新たに3つのスパムポリシーを発表。
→ スパムポリシーとは、Googleの検索結果の品質に悪影響を与える可能性のある行為への対処方針。
1.「期限切れのドメインの悪用」
登録期限が切れたドメインを購入して、ユーザーにほとんど価値を提供しないコンテンツを提供することで検索ランキングを操作するために再利用すること。
2.「大規模なコンテンツの悪用」
検索ランキングを操作することを主な目的としてユーザーの役に立たない多数のページが生成されること。
3.「サイトの評判の悪用」
「寄生サイト」などと言われる手法で実態は「ドメイン貸し」。検索で上位表示しているサイトのドメインのサブドメインやディレクトリを有償で借りてGoogle上位表示を目指すという不正行為のこと。
例)www.kobayashi-clinic.com → yamada.kobayashi-clinic.com 、www.kobayashi-clinic.com/yamada/
このポリシーは 2024年5月5日から発効。
〇 スパムポリシーに違反するサイトはランクが低くなったり、表示されなかったりする場合がある
〇 3月20日にアップデート完了。
アップデートが完了した結果
SEOに関する海外の代表的なニュースサイトであるSearch Engine Landの4月26日の記事に書かれていることを抜粋と要約して紹介します。
“Google は当初、低品質で役に立たないコンテンツを 40% 削減すると発表していましたが、今回のコアアップデートで最終的に45% 近くになったと発表しました。
Googleは次のように伝えています。
“検索上のスパムと低品質コンテンツに対処す3月のコアアップデートのランキング改善は、現在公開が完了しています。3月5日、Google は検索エンジン用に作成されたコンテンツを削減するために、コアシステムに対する多数の有意義な機能強化と、スパムポリシーに対するいくつかの更新を開始しました。ウェブとスパムの戦術は進化し続けるため、検索における低品質でオリジナル性のないコンテンツを減らすよう引き続き取り組んでいきます。”
まとめ
今回の2つのアップデートは、コアアップデートの概要で書いた「クリックを集めるために作成されたと思われるコンテンツを減らし、ユーザーが役立つと感じるコンテンツを多く表示することで、検索の品質を向上させる」という内容に尽きると思います。
コンテンツに関してGoogleのコアアップデートの説明では「役に立つ」「役に立たない」「有意義」「品質」などといった単語が多く見受けられます。またGoogleは結果として45%ものコンテンツを削除した、と説明しています。
(この場合の「コンテンツの削除」というのはインデックスから削除して検索結果に表示させないことだと認識しています。)
また、ここ数年webコンテンツがインデックスされにくくなり、Search Consoleでも「インデックス未登録」になるページが非常に多くなる現象が増えています。この現象は「重要ではない」とGoogleが判断したコンテンツはインデックスされないということの裏付けであるとも言われています。
これらから類推すると、「重要ではない有意義ではない低品質な役に立たないコンテンツはインデックスに登録しません。そのためユーザーにとって役に立つコンテンツだけがランキングされます」というGoogleの方針が感じられます。